研究課題/領域番号 |
22591449
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
持木 彫人 群馬大学, 医学部, 講師 (80312883)
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研究分担者 |
大野 哲郎 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60451712)
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キーワード | 消化管運動 / 漢方 / 六君子湯 / グレリン / 胃排出 / 空腹期収縮 / シスプラチン |
研究概要 |
平成23年度研究結果 【方法】ビーグル犬を用いて、全身麻酔下に消化管運動測定用のforce transducerを胃体部、前庭部、幽門部、十二指腸、空腸2箇所に縫着、薬剤投与用の胃痩チューブを留置し、回復期間の後に意識下で消化管運動を測定した。六君子湯を空腹期の休止期および食後期に胃痩チューブより注入した。また、六君子湯を食前に投与し、アセトアミノフェン法を用いて胃排出能を測定した。加えて、空腹期に六君子湯を投与し、投与前および投与後5時間までの血中アシルグレリン濃度を測定した。 【結果】空腹期に六君子湯を投与すると、十二指腸以下の空腸を中心に食後期収縮様の運動を誘起した(Fig.1)。Motility Indexは、十二指腸では生食投与群22.5±4.7、六君子湯エキス1.3g投与群48.1±9.9、六君子湯エキス2.7g投与群94.2±21.2(P<0.05vsコントロール)空腸では生食投与群35.6±11.1、六君子湯エキス1.3g投与群50.5±10.4、六君子湯エキス2.7g投与群85.6±27.0と六君子湯投与により用量依存性に上昇した(Fig.2)。食後期の投与では、消化管収縮に対して明らかな影響は認めなかった。胃排出能は、六君子湯投与群ではコントロールと比べて用量依存性に亢進した(Fig.3)。また、血中Ghrelin濃度は、六君子湯エキス1.3g、2.7g投与では投与前と比べ大きな変化は認めなかったが、六君子湯エキス4.0gを投与すると、投与後2時間以降から投与前と比べ上昇した(Fig.4)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
漢方は生薬製剤のため反応に多少のばらつきはあるが、副作用も無く、実験動物に順調に投与できている。
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今後の研究の推進方策 |
実験の対象はイヌであるため健康状態およびストレスが消化管運動に大きく影響し、消化管運動測定機器を取り付けても正常な収縮がでず、測定できない時がある。よって感染症などを抑え健康を維持させ、無用なストレスを与えない事が研究推進には重要である。また。漢方は生薬であるためその作用は穏やかで、期待通りの作用が確認できない時もある、よって投与回数を増やし、標準誤差の少ないデーターを取る事が重要になる。
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