研究概要 |
胃癌患者において癌周囲に浸潤するリンパ球(以下, TIL)中の Th17陽性細胞は非癌部と比較して有意に陽性率が高く, その傾向は進行病変より早期病変において著明であった。 このことから, 癌発生の初期段階においては Th17 という IL-17 を有意に分泌するリンパ球の比率が高いことが判明し(Maruyama T. Cancer Sci 2010;101:1947-54.), 局所病変が進行する過程で Th17 の役割が相対的に寡少となることが示唆された。 免疫反応の初期段階において Th17 細胞は各種(正・負の反応は別として)免疫反応のいわゆるアクセレーション(賦活化)を担っている可能性が示唆された。 逆に, 癌微少環境における癌にとって有利な環境がひとたび整う(進行病変の方が早期病変に比し Treg の集積比率が高い)と, Th17 細胞の担う役割は寡少となる可能性が示唆された。
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