研究概要 |
胃癌診断において腹膜播種の正確な診断は最も重要な項目の一つであることは言うまでもない。腹膜播種とは肉眼レベルでの腹膜転移のことを意味するが、近年細胞レベル(細胞診)あるいはDNAレベルにおいても胃癌においては臨床的重要性を有することが注目されている。われわれは、胃癌において最も高頻度に癌特異的メチル化を有する遺伝子としてHOPX,Reprimoを同定している。今回、腹水洗浄細胞診を行った100例の胃癌患者のメチル化を測定しDNA診断のポテンシャルを明らかにする。メチル化の感度を測定するにあたり、full methylationの遺伝子の500分の1の感度で検出が可能なことを明らかにしている。しかし、明らかにバンドとして検出できるレベルは200-300分の1以上のメチル化DNAの混在が必要である。この感度がCy1の感度よりも上であれば臨床的有用性は高いと考えられるが、低いならば臨床的に有用性が確認できないとの結果になる。現在、PCRの技術が安定している技術者を育成中であり、育成後すでに抽出しているDNAに対してPCRを実行する。今年度中に解析を行う。
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