<研究の目的> 胃癌の正確なステージ診断能を上げるため腹水洗浄細胞診の微量癌細胞検出法の開発を目的として研究を企画している。微量癌細胞由来の DNA のメチル化を Methylation specitic PCR (MSP) を用いて調べ、その臨床的意義を明らかにする。これまで DNA 定量の意義を明らかにするために、Real time PCR の感度を確認し、検体からの DNA を抽出することに成功している。その結果、感度としては1000分の1程度の微量癌細胞を検出できることが可能となったことを明らかにし、またDNA 検体としては100例分のbisulphite 処理が行われた。今年の研究の目的はいよいよPCRをかけて検出率および臨床的意義を明らかにすることである。 血液を用いた微量癌細胞の検出の検討では1000分の1の感度は感度として適当でないと判明しており条件設定に手間取っている。血液中の微量癌細胞の感度は進行癌の30%程度でありこれまでの検出感度を超えない。よって、癌細胞の鋭敏な感度の検討として nested PCR や DNA 抽出条件の改良が必要であり現段階で微量癌細胞由来 DNA 診断は可能ではない。今後 DNA 抽出法を再度改良して微量癌由来 DNA 検出に向かう予定である。
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