研究概要 |
パクリタキセル腹腔内化学療法に対する感受性予測法の開発について、昨年度までにパクリタキセルの腹腔内化学療法に対して感受性を示す細胞株と抵抗性を示す胃がん細胞株の作成を行い、3種類の由来の異なる抵抗性株を作成、これらの細胞株の遺伝子発現をマイクロアレイを用いた網羅的解析により親株と比較、パクリタキセル抵抗性に相関し発現亢進する遺伝子を1次選別し、これらのうち9個の遺伝子についてqRT-PCRにより発現差を確認した。今年度はさらに発現低下する遺伝子についても検討し、5個のパクリタキセル感受性遺伝子候補を同定した。さらにTTF(time to treatment failure)をもとにPTX高感受性群、低感受性群に二分した臨床検体(新鮮凍結切除材料)を用いてvalidationを行い、微小管関連遺伝子やEMT関連遺伝子(KIF23, ATAD2, PHF19, SNAI1)など4個の遺伝子をPTX抵抗性予測遺伝子として選別した。これらの遺伝子はPTX治療抵抗性を示す検体で有意に高値を示し、胃癌臨床検体でも有用性が検証された。さらに上記のうち1種類の遺伝子についてsiRNAによるノックダウン実験を行い、発現の低下と 増殖能などの変化を認めており,さらにパクリタキセル抵抗性の変化に付いて現在解析を進めている。
|