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2010 年度 実績報告書

潰瘍性大腸炎術後の回腸嚢炎の発症経過と機序の解明-回腸嚢炎は術後再発か?-

研究課題

研究課題/領域番号 22591476
研究機関東北大学

研究代表者

小川 仁  東北大学, 病院, 講師 (00312570)

研究分担者 佐々木 巖  東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60125557)
柴田 近  東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30270804)
キーワード潰瘍大腸炎 / 回腸嚢炎 / 発症機序
研究概要

本研究の目的は(1)潰瘍性大腸炎に対する大腸全摘・回腸嚢肛門吻合術後患者に発症する回腸嚢炎の発症経過と機序を、臨床検体および動物モデルを用いて明らかにすること、および(2)「回腸嚢炎は、術後の回腸嚢に起こる潰瘍性大腸炎の再燃である」とする仮説に基づき、潰瘍性大腸炎の病因解明につなげること、である。平成22年度は潰瘍性大腸炎術後患者3名の回腸嚢粘膜の変化を経時的に観察することを中心に行った。当科では回腸嚢肛門吻合術の際に全例回腸ストマを造設し、数ヶ月後に回腸ストマを閉鎖している。Narrow band imagingを併用した内視鏡の粘膜観察により、ストマ閉鎖前の回腸嚢粘膜には、本来の小腸と同様に血管透過性は(時間の経った回腸嚢と異なり)ほとんど認められない。しかしストマ閉鎖手術後数ヶ月で回腸嚢の血管透過性が大腸のそれと近くなってゆくことを観察した。また、通常の回腸末端には内視鏡上バイエル板を認めるが、回腸嚢ではバイエル板が減少している傾向がみられた。これらのことは、ストマ閉鎖後に回腸嚢粘膜が大腸化してゆくことを現している。従来の学説では、回腸嚢粘膜の大腸化が回腸嚢粘膜の炎症(=回腸嚢炎)に引き続いて起こる二次的な変化であるとする意見が多いが、我々の観察は回腸嚢炎の発症以前に内視鏡的に粘膜の大腸化が起こりうることを示唆している。今後症例数を蓄積し、また血管透過性やバイエル板の密度を定量的に評価する方法を模索しつつ、より長期にわたる回腸嚢粘膜の変化を検討する必要がある。また、動物モデル(回腸間置モデル)は23年度より作成する予定である。(685文字)

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 回腸嚢炎の診断と分類2010

    • 著者名/発表者名
      小川仁
    • 雑誌名

      IBD Research

      巻: 4 ページ: 75-80

  • [雑誌論文] C.Difficile関連難治性回腸嚢炎の3例2010

    • 著者名/発表者名
      小川仁, ほか
    • 雑誌名

      日本消化器外科学会雑誌

      巻: 43 ページ: 270-276

    • 査読あり
  • [学会発表] 潰瘍性大腸炎にチアする大腸全摘回腸嚢肛門吻合術後回腸嚢炎の臨床経過2010

    • 著者名/発表者名
      小川仁, ほか
    • 学会等名
      潰瘍病態研究会第19回フォーラム
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-08-21

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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