血管新生因子の一つであるVEGFは、数多くの腫瘍の血管新生に強く関与していることが示されてきた。その結果、VEGFの中和抗体であるBevacizumabは、すでに大腸癌、肺癌、乳癌で延命効果が示され臨床応用されている。しかし、Bevacizumab治療における最も大きな問題点は、耐性が生ずることと考えられる。Bevacizumabの耐性機序を解明し、それを克服するため下記の研究を行った。 ヌードマウス移植大腸癌株を数株を使用し、長期間Bevacizumabを投与することによって、耐性となる細胞株の有無を検討した。その結果、KM12SM株においては、二週に一度3ヶ月間の投与により耐性が生ずることが判明した。そこで、これを次年度の網羅的遺伝子解析に供することとした。 さらに、臨床症例においてBevacizumab治療が耐性となったと考えられる症例において、患者本人の了解を得て腫瘍の採取も開始した。
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