研究課題
平成22年度は、直腸癌切除標本を用いた遺残癌細胞と間質細胞の遺伝子発現の検討により、化学放射線療法に抵抗性を示した癌細胞(癌幹細胞の存在が示唆される)の分子生物的検討を行っている。また、治療抵抗性癌細胞(癌幹細胞の存在が示唆される)として大腸癌細胞株HT29細胞を用い致死量以下の5-FU長期、頻回暴露や放射線長期、頻回暴露による抵抗性クローンの作成を行い、その分子生物学的検討を行っている。GFP標識マウスの脾臓にRFP標識大腸癌細胞株(Anticancer社から購入)を接種する大腸癌肝転移モデルにおける二光子励起顕微鏡下生体内リアルタイムイメージング法を確立し、RFP標識癌細胞が、肝類洞内に接着、停止する像、血小板凝集を伴って肝類洞内で停止する像、肝類洞からDisse腔へ形態変化と伴いながら浸潤する像などを600倍以上の倍率でとらえられることが可能となった。すなわち、生きた癌細胞が、生きたマウスの生きた肝臓内でどのように転移巣を形成するかが観察可能となったことで、現在、大腸癌肝転移における癌幹細胞振る舞いや癌幹細胞の上皮間葉移行の関与の検討に着手している。また、研究計画を鋭意進めながら、癌幹細胞や上皮間葉移行に関連する臨床研究も行い、国内外の学会や論文等で精力的に発表を行っている。
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