我々が提案する Lymph node navigation surgery は、術中にリンパ節転移を診断しながら手術操作を進めるというものであり、リンパ節転移の術中評価法として腫瘍の蛍光診断に着目した。ヘム合成の前駆物質であるアミノレブリン酸(5-ALA)は、その代謝産物プロトポルフィリン IX (PPIX)が腫瘍細胞特異的に蓄積し、励起光により赤色の蛍光を呈する。マウス大腸癌リンパ節転移モデルにおいて、5-ALA を用いた蛍光観察により転移リンパ節の同定が可能かどうかを検討したところ、5-ALA を経口投与した場合はリンパ節転移の同定は困難であったが、腹腔内投与した場合は転移リンパ節の同定が可能であった。以上の結果は5-ALA を用いた蛍光診断が実際の腹腔鏡手術に応用できる可能性を示している。
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