研究課題
本年度の実績として、腫瘍細胞/アロ樹状細胞融合ワクチンを用いた腫瘍抗原特異的なCD4+T細胞の誘導の前実験として、α-Galactcylceramide(α-Gal)を用いたアロ樹状細胞による活性化でのB16-F10 melanoma肺転移の治療モデルで抗腫瘍効果の評価を行った。同種樹状細胞(α-Gal付加樹状細胞による活性化;DCG)と比較して、抗腫瘍効果に対する評価は良好で、アロ樹状細胞による活性化は、同種樹状細胞によるものと比較して、同等以上の効果が期待できることが示された。治療対象に異なる腫瘍細胞株を用いても良好で、一部の細胞株では優位性も示した。次に、CD4+T細胞が誘導されることを確認した。本来、抗原特異的CD8T+細胞の誘導の際には、アロ樹状細胞を用いたペプチドワクチンでは誘導困難であるが、この腫瘍細胞/アロ樹状細胞融合癌ワクチンの作製と抗原特異的CD4+細胞の誘導は、アロ樹状細胞を採取し、MO5細胞(OVA;卵白アルブミン導入B16細胞)とポリエチレングリコール(PEG)を用いて融合抗原の作製を進めた。これを免疫し、OVA323-339tetramerで、抗原特異的CD4+T細胞を検出する段階まで進めることができた。ただ、検出は少量で、比較評価することは困難であると結論した。腫瘍樹立モデルにおいては、抑制的環境の問題があるが、特に骨髄由来抑制性細胞は、肺転移モデルで抗癌剤治療により数と割合が減少し、肺転移が抑制されることで肺転移の程度に関与することが示せた。以上は結果として報告している。今後の問題として、OVA323-339反応性T細胞受容体遺伝子導入マウス(OT-II)由来のOT-IICD4+T細胞を移入して免疫を行い、活性化を評価する必要性がある。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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医学のあゆみ
巻: 243巻2号 ページ: p.191-197
Cancer Immunol Immunother.
巻: 61巻10号 ページ: p.1781-1790