研究課題
基盤研究(C)
本研究は、 抗原特異的 CD4+T 細胞移入による免疫細胞療法を確立し、臨床応用を目指すものである。腫瘍浸潤エフェクター細胞の重要性は以前より指摘されており、大半は CD8+T 細胞および NK 細胞が占めている。特に、CD8+T 細胞は抗原特異性、細胞傷害性および記憶維持の観点から、腫瘍免疫療法の中心的役割を果たしている。種々の癌では、腫瘍特異抗原の同定がなされ、腫瘍抗原特異的ペプチドワクチンによる細胞傷害性 CD8+T 細胞の誘導が試みられている。しかしながら、抗原特異的 CD8+T 細胞の単純な誘導および移入では十分な効果は得られていないのが現状である。一方、動物モデルでは CD8+記憶 T 細胞の維持には CD4+T細胞の存在(CD40-CD40L interaction など)が必須であることが、既に明らかとなっている。抗原特異的 CD4+T 細胞を誘導移入し、体内で高濃度に維持を行うことにより、効果的な腫瘍抗原特異的 CD8+T を維持し、強力な抗腫瘍効果を得ることが予想される。この動物モデルを確立し、有効性の高い免疫療法を開発する、実際の臨床応用を視野に入れた研究である。
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医学のあゆみ
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DOI:10.1074/jbc.M110.171702