研究課題
基盤研究(C)
本研究では、肝非実質細胞、とくに肝星細胞と類洞内皮細胞との関連に注目して、肝組織修復機構におけるその働きを検討した。純粋な肝臓組織修復機構である肝切除後の再生に注目し、門脈血流動態変化の解析と、それを感知する機械的ストレス受容体の同定を試みた。ヒト肝切除症例において、術前術後の門脈血流動態を造影CTから得られるDICOMデータを基に、流体解析用の門脈メッシュモデルを作製し、流体解析ソフトによる門脈血流動態変化を検討するとともに、regiongrowingsoftwareを用いて正確な領域別肝再生体積との関連を検討した。その結果として、ヒト肝切除後の再生は残存肝で均一に誘導されるのではなく、領域別の門脈血流変化に比例して誘導されることが確認された。一方、ヒト肝組織の免疫組織学的検討からは、類洞内皮細胞に機械的ストレス受容体候補が確認され、ストレス受容体以下のシグナル伝達を示唆するタンパクおよびその受容体の存在が確認された。
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