研究課題/領域番号 |
22591513
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
赤田 昌紀 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (20375075)
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研究分担者 |
江川 新一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00270679)
小玉 哲也 東北大学, 大学院・医工学研究科, 教授 (40271986)
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キーワード | 超音波検査 / ナノバブル / 抗癌剤 / 膵癌 / 移植モデル / 膵島移植 / 肝転移 / 異種移植 |
研究概要 |
本研究の目的は、膵癌肝転移の制御のため、抗癌剤をナノバブルに内包の上、投与し、腫瘍血管の径に応じたドラッグデリバリー効果が得られるか検討するものであり、そして体外式超音波発生装置にてナノバブルを局所的に破壊することでより強い抗腫瘍効果が期待できるか検討するものである。この目的に際し、まずわれわれはマウスに腫瘍細胞を肝臓に移植した肝転移モデルを作成し、ナノバブル造影剤で移植早期に肝臓の造影効果が得られるかどうかを検討した。既に臨床応用されているマイクロバブル造影剤(ソナゾイド)と比較したところ、造影の早期の退縮が見られたものの、ソナゾイドと同様の肝臓造影効果が認められた(投稿中)。また、小動物用の超音波機器(VEVO770 system)の有効性を評価するために、基礎実験として糖尿病マウス腎被膜下に同種同系もしくは異種(ラット)の膵島を移植し、移植した膵島がこの機器で確認できるかを検討したところ、同種同系,異種ともに移植膵島を確認することができた。同種同系では移植後1か月、膵島を確認することができ、異種移植では拒絶反応のため移植後14日以降は膵島は消失し、28日では完全に消失していた。超音波のみならず、摘出腎での所見、病理組織検査の所見でも同種同系移植群では実験期間通じての膵島の確認がえられ、異種移植群では膵島の消失が確認された。血糖値、血清インスリン値も同種同系移植では正常化が、異種移植では拒絶反応に伴う悪化が認められた。以上より、本研究に使用した超音波機器は膵島の存在の確認のみならず、膵島機能の評価にも有効であることが示唆され(投稿中)、本研究に使用する上で有効なモダリティであることが考えられた。
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