研究概要 |
Auto-Fluorescence Imaging (AFI)という蛍光内視鏡ビデオシステムを肝胆膵領域における鏡視下手術に応用することを目的としている.視覚を中心とする腹腔鏡下手術においてはとくに腫瘍描出や脈管トレースができることは大きなアドバンテージとなる。これを実現するために生体内での蛍光コントラストを高めるための蛍光剤をいくつか試行している.これまで試行した中で、すでに臨床用の試験薬として使われているFluorescein sodium蛍光剤が発色もよく描出されることを確認した.この方法によって切除区域のトレースだけでなく、脈管走行を確認できるかどうかをみるため、動物を使った手術にて確認中である.また、腫瘍描出能力を検討するため,実際の手術中所見にて赤外線システムと本システムを比較検討して,従来よりわかっている肝腫瘍での腫瘍描出の差をサイズ,深度で比較検討,症例を重ねることにより両者のメリット・デメリットをより明確化させた.現在、蛍光内視鏡としての新しい活用法として、腫瘍だけでなく虚血組織の描出が可能かどうかを現在実証中である.腫瘍を特異的に視覚化させる蛍光性抗体に関しては、描出に十分な集積性をたかめるべく、いくつかの抗体や投与量を検討中である.
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