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2011 年度 実績報告書

膵癌における内分泌系転写因子の発現意義と癌幹細胞との関係

研究課題

研究課題/領域番号 22591519
研究機関大阪大学

研究代表者

和田 浩志  大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (00572554)

研究分担者 永野 浩昭  大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (10294050)
江口 英利  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90542118)
瀧内 大輔  大阪大学, 医学系研究科, 医員 (30571351)
山田 大作  大阪大学, 医学系研究科, 医員 (60571396)
キーワード膵癌 / Pdx1 / progenitor gene / 転写因子 / 癌幹細胞 / 膵内分泌腫瘍
研究概要

膵癌における膵内分泌系progenitor gene (Pdx1, Ngn3, NeuroD1, MafAなど)の発現意義検討するために,本年度は,浸潤性膵管癌におけるPdx1の発現を切除標本パラフィン包埋切片を用いて免疫組織化学染色法にて検討した。対象は、浸潤性膵管癌48例。平均年齢66歳(38-84歳)、男女比は28:20。術前治療として放射線化学療法を28例に施行。20例が術前治療なしであった。Pdx1の発現は,膵癌細胞の核内に局在しており,48例中45例(94%)に発現を認めた。核内染色の程度では,強発現16例(33%),弱発現29例(60%)であった。強発現の16例をPdx1陽性として、陰性32例の2群間で,臨床病理学的因子について比較検討した。年齢・性別・腫瘍径・腫瘍分化度などに差を認めなかったが,術前治療を施行した27例では,Pdx1陽性では、T1-2が6例,T3-4が3例であり,陰性群と比較して有意にT1-2が多かった(p=0.006)。全生存率、無再発生存率に関しては2群間で有意差を認めなかった。治療前の腫瘍因子は,27例全例がT3-4であったことから,Pdx1陽性例では,放射線化学療法に感受性を示して腫瘍縮小効果が得られた可能性があると考えられる。そこで,膵内分泌系progenitor geneを膵癌細胞株に導入することによって抗癌剤感受性を評価し,その作用機序について明らかにすることで新たな膵癌治療へと発展する可能性がある。また,膵癌切除標本におけるPdx1以外の膵内分泌系転写因子の発現も検討を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

膵癌切除標本での、膵内分泌系progenitor gene発現を確認でき,術前の放射線化学療法の感受性と関係が示唆された意義は大きいと考えられる。今後、当初の予定通りに、in vitroおよびマウスを用いたin vivoの実験を遂行して行く予定である

今後の研究の推進方策

今後は、内分泌系転写因子の遺伝子導入による形質転換の可能性について検討を行っていく予定である。まず、膵癌細胞株に内分泌系progmiter geneであるPdx1, Ngn3, Mafaをtransfectし,増殖能,Invasion assayによる遊走能,Migration assayによる浸潤能を評価する。また,MTT assayなどにより抗癌剤感受性の変化についても検討する。さらに、内分泌系progenitor geneを遺伝子導入した細胞株をNOD/SCIDマウスに投与することによりXenograftを作成し,in vivoでの腫瘍増殖能や抗癌剤感受性について検討する予定である。

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公開日: 2013-06-26  

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