研究課題
【研究目的】ヒト膵癌組織を用いたα-gal tumor lysateワクチンの有効性と癌幹細胞に対する抗腫瘍効果をin vivoモデルにて検証することを目的とした。【研究方法】野生PANC1cellまたはα-gal-PANC1cellをマウスの皮下に投与し、ヒト膵癌腫瘍塊を形成させ、α-gal-PANC1 tumor lysateおよび野生PANC1 tumor lysateを作成し、これらのtumor lysateワクチンを投与し抗膵癌抗体産生、膵癌特異的CD8+CTLの誘導を確認した。膵癌切除標本より膵癌・癌幹細胞とされるCD24+, CD44+細胞群を分離しワクチンを投与したKOマウス血清中に癌幹細胞に対する抗体が誘導されているかを確認した。In vivoでは、各ワクチンを投与したKOマウスよりsplenocytesを採取しNOD/SCIDマウスにリンパ球移入し野生PANC1cellを皮下投与したtumor challengeにより有効性判定を行った。さらにジエムザール耐性PANC1 cellsを樹立し、このGem耐性PANC1による腫瘍形成も制御できるかを解析した。【結果】抗膵癌抗体ではα-gal lysate群ではparental lysate群に比し16倍高い抗体産生を確認でき、膵癌幹細胞に対する抗体も有意に多く誘導できた。膵癌特異的CD8+CTLの誘導でもα-gal lysate群で有意に多くのCTLを誘導できた。野生PANC1cellのtumor challengeではα-gal群では腫瘍形成を完全に回避でき、Gem耐性PANC1でも腫瘍形成をほぼ完全に制御できた。【結語】α-gal lysateワクチンは通常型膵癌および癌幹細胞の両者に対し強い抗腫瘍効果を惹起可能で、膵癌根治を実現できる免疫療法であることが示唆された。現在、臨床応用に向け準備している。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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