研究課題/領域番号 |
22591524
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大塚 隆生 九州大学, 大学病院, 助教 (20372766)
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研究分担者 |
水元 一博 九州大学, 大学病院, 准教授 (90253418)
宮坂 義浩 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (40507795)
堤 宏介 九州大学, 大学病院, 医員 (00467937)
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キーワード | 膵癌 / オートファジー / 薬剤耐性 / 遺伝子治療 / ASC |
研究概要 |
Autophagyに関連する可能性がある癌抑制遺伝子ASCの効果を確認するために、まず膵癌細胞株を用いた研究から行った。11の細胞株を用いて内因性ASCの発現をmRNAで確認し、その中からASC発現量が最も高いAsPc1細胞株を用いることとした。一方で外因性ASC発現アデノウイルスを作成して、AsPc1に感染させてASCを導入し、Autophagyが誘導されるかを確認した。ASC発現アデノウイルスはASCとともにGFPも発現するため、感染効率を蛍光顕微鏡で確認し、最も効率がよいMOIを決定した。Autophagyの誘導はLC3の増加で確認することができるため、ASC導入によるLC3発現への影響をrt-PCRによるmRNA発現解析で確認した。しかしASC導入によりLC3mRNA量の増加は見られず、mRNAでのLC3の評価は困難であると考えられた。続いて蛋白レベルでLC3の発現量の変化をウエスタンブロット法と免疫染色法で確認した。しかしLC3蛋白そのものの同定はできたものの、autophagy誘導刺激後の蛋白量の変化を確認することはできなかった。これは抗癌剤を用いた実験でも同様で、現在の諸設定条件ではAsPc1細胞にautophagyを誘導することができなかった。Autophagyを誘導する条件を設定することが本研究では不可欠で、次の段階としては、細胞株を変更して最も効率的にautophagyを誘導する条件を設定しなければならない。抗癌剤でautophagyが誘導されることは多くの他の癌細胞株で確認されており、条件設定が決定されれば、抗癌剤で膵癌に誘導されたautophagyを、ASCが正負のどちらに制御するかを確認することは比較的容易に行うことができると思われる。
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