研究概要 |
当科で切除した膵癌切除組織を病理組織学的診断に必要な部分以外の部分も含めてホルマリン固定した。ホルマリン固定した組織を、パラフィン封埋し保存した。その後,パラフィン封埋された標本から薄切標本をスライドガラス上に作製した.免疫組織染色施行前にXylenおよびEthanolにて脱パラフィンを施行後,121℃で10分間熱処理した.さらにMethanolで15分間処理し,PBSで洗浄し,10% Goat血清を用いて10分間タンパクブロッキングを施行した. 免疫組織化学染色法としては,一次抗体として,抗mesothelin モノクローナル抗体(clone5B2, Novocastra Laboratories, 1:10),抗MPFモノクローナル(clone618923, R&D systems,1:500)抗体を用いた.作成した薄切標本を一次抗体と4℃でover night処理し,洗浄した後,二次抗体としてHistFine (ニチレイ)を室温で30分間処理(ストレプトアビヂンビオチン法)を用いた.二次抗体で処理した後に,薄切標本をPBSで洗浄の後,室温で15分間DAB発色を行った後,Hematoxylinで染色を追加した.他の薄切標本を観察すると,mesothelinは膵癌細胞で染色されたがMPAは膵癌細胞では染色されなかった. 抗MPFモノクローナル抗体を変更してみたが、同様の結果であった. 次に,ERCP時に膵管内に挿入したカニューレから時間をかけて採取した膵液を用いてRT-PCRを施行するも、MPFの発現は認められなかった.
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