研究課題/領域番号 |
22591530
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
有泉 俊一 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (40277158)
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研究分担者 |
中山 正道 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00338980)
山本 雅一 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60220498)
正田 純一 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90241827)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 肝内胆管癌 / 胆嚢癌 / 悪性挙動 / 糖鎖分子 / 糖転移酵素 |
研究概要 |
癌細胞表面の糖鎖構造はその悪性挙動を始めとする腫瘍生物学に深く関与する.糖転移酵素であるN-Acetylglucosaminyltransferase V(GnT-V)は,ノックアウトマウスの解析結果より,癌の増殖・転移に必須の分子であることが証明されている.高転移性癌細胞におけるGnT-Vの活性は高いことが報告されており,過去に様々な癌種におけるGnT-V発現と生物学的悪性度との相関性に関して報告がなされている.初年度に我々はpT2胆嚢癌においてGnT-V発現を免疫組織学化学にて解析した.その結果,陽性例は陰性例と比較し有意に予後不良であり,術後に遠隔臓器転移再発をきたす傾向にあることを報告した.しかしながら、肝内胆管癌におけるGnT-V発現と臨床病理学的意義に関する報告は過去にない.次年度はpT2胆嚢癌におけるGnT-V発現と予後および術後再発との関連性について検討を行った.pT2胆嚢の治癒切除72例を対象とし,GnT-V発現を免疫組織学化学にて解析し,その結果を臨床病理学的因子および術後予後と比較検討した.GnT-Vの免疫組織学的発現について,陽性例は42例,陰性例は30例であった. GnT-V発現の有無と病理組織学的因子との間に有意な相関関係は認められなかった.また,pT2胆嚢ではGnT-V陽性例は陰性例と比較し術後5年生存率は高い傾向にあったが有意差を認めなかった (P = 0.31) 最終年度は,ヒト胆嚢癌細胞にGnT-Vの遺伝子導入を行い,GnT-V発現レベルの異なる癌細胞を構築した.これらの細胞を用いて,増殖能,転移能,血管新生能の各項目について検討した.その結果,いずれの項目についてもGnT-Vの高発現細胞は,中レベル,低レベルの細胞に比して,顕著な悪性挙動を示した.GnT-Vを標的とした胆道癌治療は有用である可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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