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2011 年度 実績報告書

形状記憶合金を用いた人工心筋の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22591534
研究機関東北大学

研究代表者

秋山 正年  東北大学, 病院, 講師 (80526450)

研究分担者 山家 智之  東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (70241578)
渋谷 拓見  東北大学, 病院, 助教 (10526453)
キーワード心不全 / 僧帽弁閉鎖不全 / 低侵襲手術 / 人工心筋 / 心臓外科
研究概要

プロトコールに従い、Rapid ventricular pacingにより2頭の心不全モデルを作成した。Pacingの期間は4~5週間で、左室駆出率が20~30%台の高度心機能低下、およびそれに伴う機能的僧帽弁閉鎖不全症を認めた。心エコーデータのみでなく、コンダクタンスカテーテル、Swan-Ganzカテーテルデータからも高度の心機能障害が裏付けられた。
人工心筋の準備に関しては、共同研究者である東北大学加齢医学研究所心臓病電子医学分野の山家、白石らにより行われた。
1頭目の心不全モデルにおいては、人工心筋の縫着により、中等度の僧帽弁閉鎖不全症が消失。カテーテルデータでは、心拍出量の増加は認められなかったが、人工心筋の収縮に合わせ体血圧の上昇を認めた。慢性実験にするため閉胸したところ人工心筋をやや強めに縫着したことによる心臓の拡張障害を認めた。2頭目のモデルにおいては人工心筋の縫着自体に問題はなく、1頭目同様、有意な僧帽弁逆流の消失、人工心筋収縮に一致した体血圧の上昇を認めた。
心エコーによる解析では、僧帽弁逆流の軽減のメカニズムとして、人工心筋による過度の左室拡張の抑制が、僧帽弁のTethering軽減を促す機序であると判断された。
2頭とも慢性実験を予定していたが、End pointとなる人工心筋植込み後4週まで到達する前に死亡した。理由の一つは人工心筋の縫着方法による心臓拡張障害の改善が十分でなかったことが挙げられる。
現在人工心筋のモデル変更を行っており、縫着方法の抜本的改善を目的としたMock circulationを用いたIn vitroの実験により人工心筋モデル、心臓縫着方法の改善を行い、その結果を元に再度心不全モデルに対する人工心筋縫着を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

震災の影響で実験開始が遅れたものの、心不全モデル作成も安定し、急性実験データの採取までは可能となったが、慢性期データ収集が行えない現状である。その主な原因として人工心筋の形態、縫着方法が挙げられ、現在In vitroにてそれらの改善を行っている。その結果を踏まえて再度心不全モデルに対する実験を行う方針である。

今後の研究の推進方策

これまで行った方法では人工心筋の縫着自体が左室拡張障害を引き起こしている可能性が否定できない。そのため現在人工心筋の形態、縫着方法についてMock circulationを用いて再評価を行っている。In vitroの検討はおおよそ終了しており、今後動物実験に対する実験を行う予定である。

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公開日: 2013-06-26  

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