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2011 年度 実績報告書

ヒト心房筋電気的リモデリングの成因解明のためのマイクロRNA解析

研究課題

研究課題/領域番号 22591547
研究機関大分大学

研究代表者

岩田 英理子  大分大学, 医学部, 助教 (70457604)

研究分担者 小野 克重  大分大学, 医学部, 教授 (40253778)
キーワード循環器 / 不整脈 / イオンチャネル / マイクロRNA
研究概要

心房細動は最も罹患率の多い不整脈でありながら、その治療戦略は未だ確立していない。それは、心房細動の発症と維持の機序が明確にされていないことに起因する。心房細動は、特に体外循環を必要とする心血管領域手術の周術期においては、血行動態の不安定化等に悪影響を与え、ICU在室時間や入院日数を増加させる等の報告がある。本講座における体外循環症例では、発作性心房細動も含めて周術期に約3割の心房細動の罹患例が経験されている。
近年、循環器領域では、心臓の発生や筋肥大、虚血性心疾患、心不全、さらには不整脈の発生等において、特定のマイクロRNAの発現異常が存在することが報告されている。本研究は、心房細動の持続において、ヒト心房筋におけるイオンチャネルのリモデリングの成立にマイクロRNAが関与しているという仮説を立て、その立証を目的とし、さらにはその治療への応用を目指すものである。
現時点で当科における体外循環症例より得られたヒト心房筋検体は310症例である。
1.これらより抽出した総RNAよりRT-PCRを用いて、各種心臓イオンチャネルの発現を評価している。
2.この中から、疾患(弁膜症、大動脈瘤、虚血性心疾患、先天性心疾患等を含む)、性別、年齢、心機能、内服歴等の条件を考慮して選抜した心房細動患者9例、対照患者11例の検体についてマイクロRNAの網羅的解析を終え、心房細動に関与していると思われるマイクロRNAの予測をつけた(なお、検体は現在も採取継続しており、更なる症例数の増加を図っている)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

先述の研究実績の概要の通り、豊富な臨床症例をもとに、心房細動の発生・持続に関与すると思われるマイクロRNAを予測できた。現在in vitroのレベルにおける実証実験に入っている。

今後の研究の推進方策

現在臨床検体を用いた研究より予測できたmicroRNAをリポフェクタミンを用いて新生獣ラット心筋細胞へ導入、パッチクランプ法を用いて、これらの遺伝子導入心筋細胞における細胞膜電流の変化を評価している。同時に、導入した心筋細胞におけるイオンチャネルの発現変化も評価を行っている。
これらを総合的に分析し、心房細動患者における特定のmicroRNAとイオンチャネルの関与を、in vivo、in vitroの両方で実証する。

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公開日: 2013-06-26  

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