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2011 年度 実績報告書

血管内皮前駆細胞移植による血管新生療法に対するShh遺伝子治療の併用効果

研究課題

研究課題/領域番号 22591555
研究機関久留米大学

研究代表者

岡崎 悌之  久留米大学, 医学部, 講師 (00289456)

研究分担者 伊井 正明  大阪医科大学, 医学部, 講師 (10442922)
キーワード細胞治療 / 遺伝子治療 / 血管新生
研究概要

慢性動脈閉塞性疾患に対する細胞移植による血管新生療法の臨床応用の結果では動脈硬化疾患などのCD34陽性細胞の数の減少、細胞の質の低下などの影響から、十分に効果の得られない症例があることが言われている。よって、移植細胞の血管新生効果を増強するためソニックヘッジホック(SHh)の併用を行い、より成熟した血管形成を行うことを目的とした。2年間のin vitroとヌードマウスの実験により、以下のような結果を得ており論文作成中である。1)CD34陽性細胞にSHhシグナル伝達系が存在する2)SHhはCD34陽性細胞の増殖・接着・遊走能を亢進する3)SHhはCD34陽性細胞のHUVECが形成する管腔構造への取り組みを促進する4)SHhがCD34陽性細胞の血管内皮細胞および血管平滑筋細胞への分化能を高めるというin vitroの結果を得た。ヌードマウスの下肢虚血モデルにSHhと共培養したCD34陽性細胞を虚血肢に移植した。この細胞の移植群では、コントロール群やCD34陽性細胞のみの移植群と比較し血流改善を認め、組織解析において血管内皮細胞および血管平滑菌細胞に分化したことが明らかとなった。またin vitroの結果で、SHhと共培養したCD34陽性細胞においてSHhシグナル関連遺伝子の発現だけでなく、血管新生関連遺伝子の発現も認めていた。これらの結果から3年目の研究として臨床データの解析を行い、この研究の臨床応用への有用性を確認することとした。24年度の研究テーマとして、動脈硬化疾患(閉塞性動脈硬化疾患、冠動脈疾患、糖尿病合併例など)の患者の末梢血を採取、CD34陽性細胞を分離し、SHhシグナル関連遺伝子や血管新生関連遺伝子の発現状況について解析を行う。動脈硬化疾患において健常人と比較し、これらの遺伝子発現状況に相違があれば、臨床応用での有用性の可能性を見出されると推測している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

SHhと共培養したCD34陽性細胞の血管新生効果がin vitroおよびin vivoにて明らかにされたこと。さらに当初からGCSFにて動員させたヒトCD34陽性細胞を企業から購入し基礎実験を行い、この結果を得ている。予定していたマウス骨髄からのEPCではないので、計画以上に進展したと判断した。

今後の研究の推進方策

動脈硬化疾患(閉塞性動脈硬化症、冠動脈疾患、糖尿病合併例など)の患者の末梢血を採取し、CD34陽性細胞を分離し、SHhシグナル関連遺伝子や血管新生関連遺伝子の発現状況について解析を行う。動脈硬化疾患において健常人と比較し、これらの遺伝子発現状況に相違があれば(特にSHh関連遺伝子の発現が減少)、臨床でのSHhの併用療法の有用性が確認される。さらに解析結果によっては、臨床検体から得たCD34陽性細胞のSHhを同様に共培養し、臨床へのアプローチを模索することも検討される。
(問題点)
・臨床検体(末梢血)にて解析を行うため、倫理委員会への申請を行っている。
・解析データをより確実なものとするため、末梢血から得られるCD34陽性細胞の細胞数について確認する必要がある。採血量に反映される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 自己骨髄単核球細胞移植の成績と適応について2011

    • 著者名/発表者名
      岡崎悌之
    • 雑誌名

      脈管学

      巻: 51 ページ: 441-446

    • 査読あり
  • [学会発表] 難治性潰瘍に対する自己骨髄単核球細胞移植の結果2011

    • 著者名/発表者名
      岡崎悌之
    • 学会等名
      第41回日本創傷治癒学会総会
    • 発表場所
      愛知
    • 年月日
      20111205-20111206

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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