研究課題
昨年度はBASCs/AT-IIの分離培養技術を確立し、左肺全摘後ラットに分離したBASCs/AT-IIの経気管移入を行い、肺胞への生着を確認した。本年度はラット死体肺移植モデルを確立するにあたり、II型肺胞上皮細胞(type II alveolar epithelial cell; AT-II)移入による肺傷害改善を正確に評価するために、ドナー肺の傷害程度を一定にすることを探究した。実験計画当初の脱血モデルにおいては脱血から心停止するまで個体差があり、肺傷害の程度に差が生じる可能性があるため、肺移植手技に伴う虚血再灌流傷害(IRI: ischemic reperfusion injury)を調べる目的で作成した肺門クランプモデルによる傷害肺を作成し、その後、灌流液を注入して血液をwash outしドナー肺を摘出し、レシピエントに同所性肺移植する。肺門クランプ時間に関しては分担研究者の岩田が報告したオリジナルのIRIモデルでは60分間の温阻血であるが、我々が過去に行ってきたIRIモデル-心停止後ドナー肺における液体換気モデル(課題番号14571257)-においては2時間で設定してきたため、クランプ時間と摘出のタイミングおよび傷害程度の評価に関しては実験継続し検討中である。また、preliminaryに肺門クランプによる傷害肺に単離したAT-IIを傷害肺に移入し、生着を確認した。今後、マージナルドナー肺あるいは死体肺における適切なドナー条件を決定した後に死体肺移植モデルの実施実験を行い、評価を重ねる方針である。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (10件)
Journal of Visualized Experiments
巻: 10 ページ: pii: 3947
10.3791/3947
Respiratory Research
巻: 13 ページ: 25
10.1186 /1465-9921-13-25