研究課題/領域番号 |
22591559
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
守屋 康充 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (90375692)
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研究分担者 |
吉野 一郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40281547)
関 直彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (50345013)
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キーワード | 癌 / マイクロアレイ / ゲノム / 遺伝子 / 外科 |
研究概要 |
近年、分子標的治療薬として開発されたゲフィチニブの治療効果は、肺腺癌におけるEGFR遺伝子変異の有無と相関があることが見出され、注目を浴びている。このような肺腺癌は女性、非喫煙者に多く、喫煙非関連肺癌の一類型と考えられるようになっているが、扁平上皮癌など主に喫煙を発症要因とする肺癌に対する分子標的治療薬は未だ開発されていない。 本研究では、肺扁平上皮癌手術検体の腫瘍部、正常肺組織から抽出したtotal RNAを用いてマイクロRNA(miRNA)の網羅的発現解析を行い、肺扁平上皮癌において正常肺組織と比較して腫瘍部で発現が抑制されている特徴的なmiRNA群を抽出した。この特徴的なmiRNAの中で最も発現が抑制されていたmiRNAを肺扁平上皮癌由来の細胞株に導入してXTT assayで細胞増殖能を検討したところ、細胞増殖を有意に抑制していることが認められた。さらに公共のデータベースを利用した標的タンパクコード遺伝子群の探索から、標的遺伝子群を見出すことが可能であった。 さらに、他の喫煙関連がんにおけるmiRNAの発現プロファイルとの比較検討から、このmiRNAは喫煙関連がんの腫瘍部で共通して発現が抑制されていることが認められた。この結果より喫煙関連がんに共通する発癌過程の解明、治療標的の開発に応用できる可能性があると考えられた。この研究結果の一部を2011年日本外科学会定期学術集会にて発表した。また、20122年のJournal of Human Geneticsに投稿して掲載され、Acknowledgementsに本補助金によるサポートを受けた旨を記載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、喫煙関連癌に特徴的なmiRNA群を抽出し、その標的タンパクコード遺伝子群の探索を行った。
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今後の研究の推進方策 |
今後、新たなmiRNA標的タンパクコード遺伝子群の有無に関して検証するとともに、そのタンパク発現状況に関して確認を行う予定である。さらに今までの研究で得られた喫煙関連癌に特徴的なmiRNA群と肺癌切除症例の臨床データ(組織型、病期、再発の有無、治療効果など)との検討を行い、癌発生学的特徴を明らかにする予定である。
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