研究課題/領域番号 |
22591559
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研究機関 | 千葉県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
守屋 康充 千葉県がんセンター(研究所), 呼吸器外科, 主任医長 (90375692)
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研究分担者 |
吉野 一郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40281547)
関 直彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (50345013)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 癌 / マイクロアレイ / ゲノム / 遺伝子 / 外科 |
研究概要 |
近年、分子標的治療薬として開発されたゲフィチニブの治療効果は、肺腺癌におけるEGFR遺伝子変異の有無と相関があることが見出され、注目を浴びている。このような肺腺癌は女性、非喫煙者に多く、喫煙非関連肺癌の一類型と考えられるようになっているが、扁平上皮癌など主に喫煙を発症要因とする肺癌に対する分子標的治療薬は未だ開発されていない。 本研究では、肺扁平上皮癌手術検体の腫瘍部、正常肺組織から抽出したtotal RNAを用いてマイクロRNA(miRNA)の網羅的発現解析を行い、肺扁平上皮癌において正常肺組織と比較して腫瘍部で発現が抑制されている特徴的なmiRNA群を抽出した。この特徴的なmiRNAの中で最も発現が抑制されていたmiRNAを肺扁平上皮癌由来の細胞株に導入してXTT assayで細胞増殖能を検討したところ、細胞増殖を有意に抑制していることが認められた。さらに公共のデータベースを利用した標的タンパクコード遺伝子群の探索から、標的遺伝子群を見出すことが可能であった。 さらに、他の喫煙関連がんにおけるmiRNAの発現プロファイルとの比較検討から、このmiRNAは喫煙関連がんの腫瘍部で共通して発現が抑制されていることが認められた。この結果より喫煙関連がんに共通する発癌過程の解明、治療標的の開発に応用できる可能性があると考えられた。この研究結果の一部を2012年日本外科学会定期学術集会、H本呼吸器外科学会総会、日本肺癌学会総会、5^<th> Asia Pacfic Lung Canoer Conferenceにて発表した。 また、2012年のJournal of Human Geneticsに投稿して掲載され、Acknowledgementsに本補助金によるサポートを受けた旨を記載した。
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