研究課題/領域番号 |
22591569
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
上田 和弘 山口大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (90420520)
|
研究分担者 |
田中 俊樹 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (50457305)
李 桃生 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50379997)
|
キーワード | 代償性肺成長 / AMD3100 / 骨髄由来細胞 |
研究概要 |
本年度の研究の目的は肺切除後の残存肺成長における骨髄由来幹細胞の役割を解明することである。具体的な目的は以下の通りである。 1.骨髄由来細胞の残存肺に対する集積についてケモカインの同定、並びに残存肺へのGFP陽性細胞の集積の有無について評価する。 2.骨髄由来細胞の肺への集積を抑制し、残存肺の肺重量測定、代償性肺成長に関わる因子を組織学的に評価する。 左肺切除モデル;C52BL/6miceWild typeマウスを左肺切除後、残存する右肺の成長を誘導するマウス(Surgery群)と、左開胸のみを行うマウス(Sham群)における残存肺中のSDF1α濃度をELISA法で測定し比較、検討を行った。その結果、5DF1αの肺組織中の濃度は、術後7日目においてSurgery群はSham群と比べ有意に上昇していた。Surgery群はSham群と比べ術後7日目において、GFP陽性の肺実質への有意な集積を認めた。次に、骨髄のみがGFP陽性であるキメラマウスに対して左肺切除を施行し、CXCR4アンタゴニストであるAMD3100を投与する抑制実験を行った。左肺切除+PBS投与のみ行う対照群と比較し、肺重量、並びに血管新生の側面から組織学的に比較、検討を行った。その結果、GFP陽性細胞の集積は手術後7日目でAMD3100投与群で有意に集積が抑制されていた。細胞増殖率は術後7日目においてAMD3100投与群と対照群との間に差を認めなかった。血管内皮細胞の面積は術後7日目においてAMD3100投与群で対照群と比べ減少する傾向を認めた。術後14日目においてAMD3100投与群では対照群と比べ有意に肺重量増加が抑制された。以上より肺切除後の残存肺成長において骨髄由来幹細胞が機能していることが分かった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プロトコールに準拠して動物実験を進めている。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画書通りに推進する予定である。
|