研究課題/領域番号 |
22591569
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
上田 和弘 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (90420520)
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研究分担者 |
李 桃生 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50379997)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | compensatory lung growth / bone marrow cell / pulmonary resection |
研究概要 |
【目的】骨髄由来細胞の有用性は様々な臓器再生で明らかにされているが、肺においてはあまり明らかとなっていない。我々はマウス代償性肺成長モデルにおける骨髄由来細胞の関与について検討した。 【方法】左肺全摘により残存右肺に代償性肺成長を誘導した。GFP陽性骨髄細胞を移植したキメラマウスを用いて代償性肺成長時のGFP陽性細胞の関与を評価した。骨髄由来細胞の残存肺への集積抑制の目的にCXCR4アンタゴニスト(AMD3100)を持続投与し、代償性肺成長に対する影響を評価した。左肺全摘後の残存肺組織内のSDF-1α濃度を経時的に測定し、測定結果に応じてAMD3100の投与期間を決定した。 【結果】左肺全摘後7日目の残存肺において肺胞壁面積や肺胞密度に有意な変化を認めなかったが肺湿重量比、肺乾燥重量比、肺容量比の有意な増加を認めた。左肺全摘により残存肺へのGFP陽性細胞の集積増加を認めた(Sham開胸と比して2.1倍,P=0.001)。それらのGFP陽性細胞のうち、肺胞上皮細胞様に形態変化しているものが存在した。左肺全摘後7日目の残存肺のSDF1α濃度はSham開胸群と比べ1.4倍に上昇した(P<0.05)。そこでAMD3100を肺全摘直後から術後7日目まで持続投与し骨髄細胞の集積抑制を試みた。結果的に非投与(PBS持続投与)と比較し、術後14日目での肺乾燥重量は10%の低下を認めた(P<0.05)。 【結語】骨髄由来細胞は代償性肺成長時の残存肺に集積し組織再生に寄与していることが明らかになった。以上より、骨髄由来細胞を用いた肺実質再生療法の研究の妥当性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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