エンドスタチン発現ベクターを作製し、エンドスタチンの抗腫瘍効果を検討した。Specific pathogen freeマウスを用いて、ルイス肺癌細胞株を1×10^6皮下注射し、腫瘍結節を作製する。体積が1cm^3に達した時点でエンドスタチンや各種抗腫瘍薬(ドセタキセル、5-FU)を単剤もしくは併用で投与し、その腫瘍増殖抑制効果を比較検討した。エンドスタチンは遺伝子を組み込んだvectorを大腸菌に導入し、培養、plasmidを抽出。エンドスタチンを組み込んだplasmidと、組み込まれていないvector由来のplasmidの双方を電気泳動し、両者のバンドが異なることを確認した。エンドスタチンのマウスへの投与は、腫瘍周囲にplasmidを局注した。薬剤投与後14日で動物実験規定にそって犠牲死させた。 抗腫瘍効果は5-FU、ドセタキセルともにエンドスタチンによる抗腫瘍効果の増強は認めず、とりわけドセタキセルではエンドスタチンとの併用により逆に抗腫瘍効果の減弱を認めた。
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