研究概要 |
ラット虚血再灌流肺損傷モデルとラット肺移植モデルの作成及びヘモグロビン小胞体輸液投与手技の確立と、ブタ肺移植モデルの作成を22年度に行った。【ラット虚血再灌流肺損傷モデル】ラットに麻酔をかけた後、経口気管内挿管し、人工呼吸器管理する。外頚静脈および総頚動脈にカニュレーションし、動脈より脱血、静脈より輸液し、循環血液量の10%から30%交換輸液する。左肋間開胸して肺門部を剥離し、ヘパリンの投与後、肺動脈、主気管支、肺静脈を一括してマイクロクリップでクランプする。閉胸し、人工呼吸器から離脱し自発呼吸4~12時間経過の後、再び人工呼吸器管理下に再開胸し、先のマイクロクリップによる肺静脈、気管支、肺動脈のクランプを解除する。1時間後に右肺門をクランプして動脈血酸素分圧測定し、再灌流された左肺の機能を評価した。【ラット肺移植モデル】Donor:ラットに全身麻酔を施行し、人工換気下,左側臥位にて左開胸をおこなう。ヘパリン生食を経静脈的に投与し,肺動脈本幹にカテーテルを挿入し、冷生理食塩水で肺を十分灌流させた後、ネンブタールを投与して犠牲死させ、移植肺を摘出する.Recipient:同様に全身麻酔後,開胸し,左肺を摘出する.カフ法にて左肺動静脈と気管支を吻合し、閉胸後覚醒させ、自発呼吸の出現後に抜管する。【ブタ肺移植モデル】全身麻酔下にドナー肺を左肺を移植するモデルを作成した。右大腿動脈カテーテル、Swan-Ganzカテーテル、左房カテーテルを挿入し、肺動脈圧、肺血管抵抗、動脈血酸素分圧等を測定し、グラフト肺の機能を評価する手技を確立した。
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