研究課題
(A)選択的白質梗塞(ラット白質脳梗塞)モデル作成と梗塞部位における病態評価(1) ラット内包障害モデルの作成に関しては、大脳白質(内包)へ定位的にエンドセリンを注入し(血管収縮により)選択的な白質梗塞を作成した。MRI(T2画像)にて内包に選択的な脳梗塞巣を確認した。神経症状評価においては、運動機能では明らかな異常は認めなかった。 (2)病理組織学的評価においては、APP抗体による免疫組織染色により軸索障害が確認できた。また同部には、梗塞後1週間でマイクログリアの集簇などの炎症反応を認めた。(3) 質量顕微鏡(Imaging mass spectrometry)により分子レベル(リン脂質、タンパク質)での変化を網羅的に可視化した。内包障害部位(炎症細胞:ED1抗体陽性が集族している)を、質量顕微鏡にて解析すると、フォスファチジルコリンPC (16:0/20:4)等のアラキドン酸(AA)を含むPCs(AA-PCs)とリゾフォスファチジルコリン(LPCs)の上昇を認めた。(B)大脳白質障害に対する細胞移植による治療法の開発(1)脳血管内皮細胞の初代培養系を確立した。 GFP(green fluorescence protein)ラット大脳から微小血管およびその内皮細胞の分離をし、培養することに成功した。(2)これらの細胞を内包梗塞部位に定位的に移植して、経時的に白質障害を評価した。GFP(緑)標識血管内皮細胞が、内包障害部位に移植されていることが確認できた(移植細胞が生着していることを確認した)。 (3) 細胞移植治療による効果を評価した。移植細胞治療により白質(軸索)再生および脳機能障害の改善を評価したところ、脳血管内皮細胞を移植することにより、他の細胞移植群(menigeal cell)と比較して炎症細胞(ED-1陽性細胞)を抑制していることが判明した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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