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2011 年度 実績報告書

電気式離脱型頭蓋内ステントの開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 22591583
研究機関三重大学

研究代表者

阪井田 博司  三重大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40273362)

キーワード血管内治療 / ステント / デバイス / 脳動脈瘤 / 脳動脈狭窄
研究概要

昨年度来、電気式離脱型ステントを開発するにあたり、最大の解決点であったPVAによる自己拡張型ステントの接続方法について実験や検討を行ったが、
1)PVA接続部にストラットを数本に収束し、デリバリーワイヤーにPVAで接続する構造強度を検証したところ、製造技術の観点から困難な要因が多いことが判明した。
2)収束したストラットを糸で纏めてPVAで接続する方法も実験したが、数回に一回の割合で糸に絡んでステントが完全に拡張しない現象が観察された。そのため患者の血管内で確実にステントを展開する機構として信頼性に欠けるという結論に至った。この点に関しては改善も試みたが、離脱後に確実に展開できる構造は現時点で製品化が困難と考えられた。
3)この間に欧米でシングルアームに収束したステントを電気式に離脱するシステム(Solitaire、ev3)が販売された。この方法はステントの近位端が長くなるため今回の研究には含めなかった案であったが、Solitaireの使用実績から十分臨床応用できるものであることが判明したため、接続部を一本に収束してPVAで接続する方法を、ステントデザインの変更を含めて検討し、数回のステントの誘導・回収に対する強度、通電によるスムーズな離脱操作などの構造解析を施行中である。
PVA接続による電気式離脱型動脈瘤塞栓用コイルの技術を応用すれば、シングルアームに収束したステントをPVAで接続する方法は、強度的に問題なく作成できると考えられる。少なくとも誘導・展開・回収の一連の操作を数回行うに十分な強度を持たせることは計算上可能である。離脱構造のみならず離脱ポイントの自動検出機能を併せ持たせた電気式離脱型ステントの開発を目標に、シングルアームに収束させたステントが、いかにスムーズに展開し血管壁に密着するか、屈曲蛇行した血管に留置する際にMa1-positionとなりにくいデザインや剛性はどのようなものか、収納する際にどのような抵抗が発生するか、などに着目してステントデザインを検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

各メーカーが試行錯誤しても容易に製造できない電気式離脱機構の諸問題が、実験を進めるなかで明らかになってきた。製品として十分な確実性・信頼性を得るために、予想以上に検証・解析に時間がかかっていることが遅れている理由である。

今後の研究の推進方策

計画より遅れているものの、着実に成果は得られており、計画変更の必要は無いと考える。
これまでの実験結果を基に、新たな視点からの開発も視野に入れて研究を進めていく予定である。

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公開日: 2013-06-26  

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