研究課題/領域番号 |
22591585
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤中 俊之 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00359845)
|
研究分担者 |
中村 元 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80533794)
吉峰 俊樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00201046)
畑澤 順 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70198745)
|
キーワード | びまん性脳損傷 / 18flourodeoxyglucose / PRT-MRI |
研究概要 |
目的: ラットびまん性脳損傷モデルを用い、外傷直後から7日後までの急性期における脳の糖代謝の変化を、^<18>Fluorodeoxyglucose(^<18>FDG)によるPET画像で評価した。 方法: ラットを、頭皮を切開して頭蓋骨上においた金属板に外力を加える「外傷群」、および皮膚切開と閉鎖は行うが外力は加えない「sham手術群」の2群に分類した。外傷は、前年度実績報告に記載したように、500gの重りを120cmの高さから金属板上に自由落下させることによって作成した。外傷/sham手術操作の前日(pre)、外傷/sham手術操作後3時間後(day0)、操作1日後(day1)、4日後(day4)、7日後(day7)の合計5点において、ラットに^<18>FDGを投与し、PET-MRI装置で撮影して各群間でラットの全脳糖代謝がどのように変化するかを調べた。 結果: 2012年2月の時点で、外傷群8例、sham手術群8例を実施した。得られたPET画像で、ラット脳の冠状断面のうち4スライスを、PETの空間分解能(2.2mm)を考慮して選択し、そのスライス上の脳全体に関心領域を設定した。関心領域内のFDG集積を、SUV ; standard uptake valueを用いて半定量的に評価した。外傷群とsham手術群で、SUV値を比較したところ、day0、1におけるSUV値は外傷群でやや低い傾向にあったが、統計的に有意な差ではなかった。 評価:外傷により、少なくとも外傷直後から1日目くらいまでは脳の活動低下による糖代謝低下が予測されるが、統計的に有意な差がないこと、また各ラット間でのデータのばらつきが大きいため、必要なラット数を増やして解析を続ける必要がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データ収集は順調に進んでおり、データの傾向は概ね仮説通りであるが、2群間でまだ有意な差がなく、また、各個体のデータのばらつきも大きいため、平成23年度末までデータ収集期間を延長して、もう少し個数を増やす必要がある。
|
今後の研究の推進方策 |
平成23年度で、データ解析後に論文化する予定であったが、データ収集がやや遅れているため、データ収集を平成23年度末まで延長し、平成24年度にデータ解析と論文化を実施予定である。
|