研究課題/領域番号 |
22591590
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
阪中 雅広 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60170601)
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研究分担者 |
大西 丘倫 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70233210)
久門 良明 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80127894)
朱 鵬翔 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (40380216)
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キーワード | 制御性T細胞 / 脳虚血 / マイクログリア / FoxP3 |
研究概要 |
正常個体の免疫系には自己反応性T細胞を抑制する活性をもった「制御性T細胞(=Treg)」と呼ばれるT細胞のサブセットが存在し、病的免疫応答を制御していることが明らかになってきた。その後の研究により制御性T細胞は自己免疫のみならず、アレルギー、炎症、移植免疫、感染免疫、腫瘍免疫といったほとんどあらゆる種類の免疫反応を制御する能力を持つことが示され、免疫系における恒常性の維持に必須の役割を果たしていることが分かってきた。一方脳虚血も炎症の1つであり、脳虚血により引き起こされる炎症反応が、脳虚血の病態機構に重要な影響を及ぼすと考えられている。そこで本研究では制御性T細胞がマイクログリアや骨髄由来単球・マクロファージ系に及ぼす影響を詳細に検討し、これらの細胞による中枢神経系の炎症機構が脳虚血に及ぼす影響を解明することを目的とする。本年度は脳虚血後のTregの血清中の変化を検討した。その結果、Tregは脳虚血24時間後に優位に減少していることが明らかとなった。最近Tregの調節にヒスタミンが関与することが報告されている。そこで脳虚血後にヒスタミンの前駆体であるヒスチジンを投与すると、脳虚血後のヒスタミン量とTregが優位に上昇し、更に脳障害が軽減することが明らかとなった。現在Tregとヒスタミンとの関連を更に詳細に検討するために、ヒスタミントランスポーターのノックアウトマウスを用いた実験での検討を始めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
我々は制御性T細胞が脳虚血後に減少する事を明らかとした。そしてヒスタミンの前駆体であるヒスチジンを投与すると、脳虚血後のヒスタミン量とTregが優位に上昇して脳障害が軽減することが明らかとした。以上の知見は今まで全く報告がなく、脳虚血の病態機構の一端を明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
現在ヒスタミンと制御性T細胞の関連を詳細に調べるため、ヒスタミントランスポーターのノックアウトマウスを用いた検討を開始している。
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