研究概要 |
霊長類虚血性脳損傷モデルを用い,プロスタグランジン D2 合成阻害剤の安全性と治療効果について検討した.その結果,副作用はなく,薬剤の安全性が確認された.再潅流後亜急性期(day 3)における脳浮腫軽減が薬剤投与群で見られた.また薬剤投与群で梗塞体積が 6689mm3(ミリ立法メートル) でも生存した動物を 1 匹認めた (通常梗塞体積が5000mm3 以上では動物は死亡する).以上の結果より薬剤の治療効果の可能性が示唆されたが,梗塞体積の減少,耐虚血体積の増加,高次脳機能の改善などの点については,両群間に統計学的有意差を認めるまでには至らなかった.
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