研究概要 |
GFAP-GFPマウスを用いて、脳表から数百ミクロンの深さまでの脳実質のAstrocyteと、血管周囲にendofeetをのまばしたAstrocyteの観察条件を決定し、安定して観察できる2光子顕微鏡システムを作成した。脳微小循環は、Qdotを静脈投与して、GFPと異なる波長でAstrocyteと区別して観察できるようにした。 Neurovascular couplingのメカニズムの追究に向けて、脳卒中の主流となった脳梗塞の微小循環障害にはじまる脳組織灌流障害は、Astrocyteの障害をもたらし、その骨格構成にも携わるGFAPの形態維持機能を傷害する。それは、GFAP-GFPの蛍光強度の変化で表現されると考えられ、脳虚血再灌流モデルやくも膜下出血モデルにて、観察し詳細の検討中である。モデル作成の困難性から、マウスの生理機能を保ちながら病態モデルを観察するのは困難であるが、我々はそのシステムを確立し、体温や血圧を正常に保ちながらのin vivo modelで、脳表近くのAstrocyteの関与、collateral vesselの血流維持やpenetrating arterioleとprecapillary arterioleの動きやcapillaryのflow dependentの動きを病態モデルで観察している。 脳血流低下時は、penetrating arteriole,precapillary arteriole,capillaryの血流は血管閉塞による循環血流量の低下とともに低下傾向を示し、脳表のcolateral arteryは周囲からの血流が維持されるよう拡張を続けている。再灌流によりcapillaryまでの血流が維持されるように血管径が調節され、正常の血流が次第にもどってくる。このときの血流変化とともに、AstrocvteのGFAP-GFPの蛍光強度も変化する。
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