研究課題/領域番号 |
22591598
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
根本 繁 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20228290)
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研究分担者 |
難波 克成 自治医科大学, 医学部, 准教授 (10508740)
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キーワード | 脳血管内手術 |
研究概要 |
1.ブタを用いた血管内治療基本手技モデル構築 全身麻酔下にミニブタの大腿動脈を穿刺して6Fr.シースイントロデューサーを留置し、6Fr.ガイディングカテーテルをガイドワイヤーを用いてX線透視下に総頸動脈に誘導し、マイクロカテーテルをマイクロガイドワイヤーと共に内頚動脈に進める操作を実践することにより、脳血管内治療の基本手技である選択的カニュレーション法を習得するができるようになった。これにより基本手技習得のためのトレーニングモデルが完成された。 2.ブタを用いた血管内治療用デバイス操作モデル構築 (1)シリコンチューブにヒトの脳動脈瘤を模したモデルを作成し、このシリコンモデルの一端をミニブタの総頚動脈に結合し、もう一方の端を頚静脈に結合した脳循環モデルを作成。実際の血液循環状態で脳動脈瘤内へのカニュレーション及び動脈瘤内へのコイル挿入、留置をX線透視下で行い、血管撮影を同時に行い画像評価を行うトレーニングプログラムが完成した。 (2)ブタ頚動脈の血管壁にシリコン樹脂を注入して壁を肥厚させることにより頸動脈狭窄モデルを作成した。 3.開発したトレーニングモデルを用いたトレーニング効果の評価 脳神経血管内学会認定専門医と非専門医が動脈瘤モデルでのカニュレーションとコイル挿入を同様の環境下で行い、所要時間と術者被曝線量を測定した。 非専門医の方が所要時間がやや長く、術者被曝線量はやや多い傾向を示したが対象人数が少ないため有意の差は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
トレーニングモデルとしては初期の目標を達成できるものを製作することができた。より完成度の高いモデルを作成するためには改善すべき点があり、より多くの実験が必要と考えられるが、震災の影響でブタの確保、動物麻酔医の確保に支障をきたし、実験計画に遅延が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
ブタを使用したトレーニングモデルは、現時点では血管内治療手技習得のために非常に有用と考えられるが、動物を使用すること、血液を介した感染症、全身麻酔薬による術者への影響、などがあり、今後、動物を用いないファントムのみのトレーニングモデル、即ち、自動灌流装置を設置したシリコンモデルを作成しX線透視下に治療手技を習得するシステムを開発したい。
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