研究概要 |
頸部エコーやBB-MRIで不安定プラークを疑われた症例は術前の血中酸化LDL/β2GPI複合体,MMP-9が上昇しており、摘出したプラークではmacrophageを多く含む不安定プラークが見られる。これに対して、術前の頸部エコーやBB-MRIで安定プラークが疑われた症例はで酸化LDLやMMP-9が低いことが予想される。そこで、頸動脈狭窄症に対して、頸動脈内膜剥離術、あるいは頸動脈ステント施行症例の術前後に新しく開発された酸化lowdensity lipoprotein(LDL)LDL測定キットを用いて血中の酸化ストレスの状態を測定し、術前に施行した頸動脈エコー,Blackblood/MRIによるプラークの性状と比較検討した。研究は頸動脈狭窄が70%以上の症例で、症候性および無症候性の患者を対象し、頸動脈狭窄率がNASCETの基準で70%以上見られ、年齢は原則79歳以下の症例を対象とした。また当院に入院した頸動脈狭窄症例で血行再建術(CEA/stent)を要すると考えられる症例を対象とし、術前に前述の検査を行った。CEA術当日にプラークを摘出し、その病理学的検索を行った。またCEA,CAS術後のfollow-upを行い、術後の発作の有無、再狭窄の有無を外来で検討した。頸動脈内膜剥離術は全身麻酔下に病巣側の頸動脈を切開し、プラークを摘出する。血管縫合は人工硬膜で血管形成を行う。ステント手術は局所麻酔下で保険収載されているステントとプロテクトデバイスを用いて行う。平成22年度はCEA,CASとも15例ずつを登録した。酸化LDL,病理学的検索は引き続き検討している。
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