研究概要 |
1.正常マウス,高・低グリシンマウスの脊髄組織でのグリシン量の測定 遺伝子組み換えマウスのバックグラウンドはC57BL/6であり,マウス組織内でのグリシン量を正常C57BL/6マウス,高・低グリシンマウスの3群で比較した(n=6)。マウスの選定は血液より抽出したDNAをテンプレートとし,PCR法で遺伝子組み換え部分を増幅した後,PCR産物を2%アガロースゲルで電気泳動して決定した. 2.脊髄損傷モデルの作成と損傷の評価 脊髄損傷モデル 上記3群のマウス(27-30g)をisoflurane 2%,酸素30%,笑気70%の吸入麻酔下に腹臥位にして胸腰椎移行部に正中切開をおいた,ついで第13胸椎椎弓を切除し,腰髄膨大部を露出した.腰髄膨大部を血管クリップ(把持力15g,5秒間)で圧迫した.術中はhomeothermic blanketを用いて直腸温を36.5-37.5度に調節した. 脊髄損傷の評価 脊髄損傷1,2,3,5日後にマウスをpentobarbital 50mg/kgで腹腔内麻酔し,3.7% formaldehydeを含むPBSで潅流した.24時間同じ溶液で後固定を行った後,厚さ5ミクロンの脊髄矢状断・横断パラフィン切片を作成し,cresyl violet染色とhematoxylin-eosin染色を行った.また,各細胞群の変化を調べるために同様に処理した脊髄組織をvibratomeで厚さ50ミクロンの矢状断・横断切片を作成した.神経細胞死の確認のため神経細胞マーカーNeu-N,アストロサイトの損傷を評価するためGFAP免疫染色を行った.さらに現在は脊髄内アポトーシスの評価を行っている。
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