センダイウイルスの出芽に必要なMタンパクを欠失させ(SeV/ΔM)、細胞融合に必要なFタンパクをグリオーマ細胞において高発現が確認されているurokinase-typeplasminogenactivator(uPA)によって開裂し活性型となるように改変した新規の腫瘍融解ウイルスを作製した。このウイルスベクターにインターフェロンβ(IFN-β)遺伝子を搭載することにより(SeV/ΔM-IFNβ)、遺伝子導入効率を損なうことなく樹状細胞を活性化し、強力な抗腫瘍免疫が誘導されることが示された。治療後2週間目に脳を摘出し、CD8Tcell、CD4Tcell、CD11b+マクロファージの浸潤を免疫組織化学により検討したところ、これらの細胞の著名な浸潤増加を認めた。また、その分子機構として、樹状細胞の活性化を促すFlt3ligandの発現増強を確認した。
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