研究課題/領域番号 |
22591613
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
藤井 正美 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (90181320)
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研究分担者 |
出口 誠 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (10452640)
野村 貞宏 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (20343296)
丸田 雄一 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30543970)
鈴木 倫保 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80196873)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 脳冷却 / 脳機能マッピング / 医療機器 / 温度制御 / 覚醒下手術 |
研究概要 |
覚醒下手術において切除を行う際、脳機能局在を詳細に評価(脳機能マッピング)することが、手術合併症を回避する上で重要である。現在は刺激装置として単極もしくは双極刺激の電気刺激装置を用いているが、痙攣発作の誘発、刺激強度の設定に起因する測定結果解析のばらつきといった問題点がある。一方我々はこれまでの局所脳冷却の研究から4-10℃の脳局所冷却により脳に不可逆的損傷を引き起こすことなく、神経生理機能のみが抑制されることを動物実験より明らかにした。そこで過去の研究成果をもとに覚醒下手術において従来行われている電気刺激法に代わり、より安全性の高い脳局所冷却法を用いた脳機能マッピングの確立とそれに使用する冷却プローブの開発を目的に臨床研究を行った。 本研究は大学内倫理委員会および患者の承認を得た後に実施した。言語野近傍の脳腫瘍に対する覚醒下手術に際し、皮質電気刺激によりBroca野を確認した。その後同部を1cm角のハンドヘルド型冷却装置(独自開発、特許出願中)を用い15℃、10℃、7.5℃に冷却し、言語機能を評価した。冷却装置は熱電素子および冷却水環流装置から構成され、先端に設置した温度センサーから温度を検知、PID制御により一定温度に制御される構造になっている。言語機能は物品呼称および数唱で評価した。 冷却面の温度において15℃、10℃では言語機能に変化は見られなかったが、7.5℃の冷却により冷却から15秒後に言語停止を認め、反復冷却により再現性を確認した。術後冷却による有害事象は認めなかった。温度制御面では冷却開始時に数秒間の一過性温度上昇(2.5℃)が認められたが、その後は安定した温度制御が可能であった。 我々の開発したハンドヘルド型冷却装置は覚醒下手術における脳機能マッピングとして応用可能であることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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