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2011 年度 実績報告書

エピジェネティック因子の再構築による脳腫瘍ゲノムの機能的解析

研究課題

研究課題/領域番号 22591614
研究機関高知大学

研究代表者

八幡 俊男  高知大学, 教育研究部・医療学系, 助教 (40380323)

研究分担者 清水 惠司  高知大学, 教育研究部・医療学系, 教授 (70116044)
田村 雅一  高知大学, 教育研究部・医療学系, 講師 (40516150)
東 洋一郎  高知大学, 教育研究部・医療学系, 助教 (80380062)
キーワード悪性脳腫瘍 / 分子生物学 / エピジェネティクス / 変異
研究概要

「がんゲノムプロジェクト」が開始され、癌に関連する遺伝子の同定が加速しているが、発ガンや悪性度が進行する過程において、それらの遺伝子がどのように機能しているか特定することは未だに困難である。本課題では、iPS細胞化技術を用いて癌細胞に見られる遺伝子変異をもつ各分化段階にある正常細胞を作製し、それらの遺伝子機能やエピジェネティックな因子のがんに及ぼす影響を探索することを目的としている。
iPS細胞誘導遺伝子のうち、Sox2遺伝子は、全ての悪性グリオーマ細胞株で発現していたが、他の遺伝子は、細胞株により異なっており、全ての遺伝子を発現する細胞株は無かった。これらの細胞で遺伝子導入せずにiPS細胞を効率的に誘導、分離するために、ES細胞特異的遺伝子であるNanogのプロモーター領域の下流にpuromycin耐性遺伝子を挿入したコンストラクトを構築し、Nanog陰性のグリオーマ細胞株に導入した。これらのグリオーマ細胞株においてiPS細胞を誘導したがpuromycin耐性コロニーは得られなかった。つまり、内在的なES細胞特異的遺伝子の発現では、iPS細胞を誘導するためには不十分であった。
次に、Sox2、Oct4、Klf4のコンディショナルな発現ベクターをpNanog-Puroを導入済みの細胞へco-transfection後、サブクローニングした。これらの中から外来性のSox2、OCT4、Klf4をmRNAレベルで発現する細胞を選出し、これらの遺伝子産物が誘導可能であることを確認した。これらの細胞を用いて脳腫瘍細胞由来iPS細胞を誘導するとES細胞マーカーであるアルカリフォスファターゼ陽性の多くの細胞が得られたので、今後、これらの細胞の特徴を検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

悪性脳腫瘍由来iPS細胞の候補クローンが多く得られているが性状解析に至っていない。

今後の研究の推進方策

悪性脳腫瘍細胞株に加え、比較的変異の蓄積が少ないと考えられる初代培養細胞からもiPS細胞の誘導を実施する。また、Glis1等のiPS細胞誘導に効果的な遺伝子をiPS細胞の誘導に使用する。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (9件)

  • [雑誌論文] Identification and functional characterization of glioma-specific promoters and their application in suicide gene therapy2011

    • 著者名/発表者名
      Yawata T, Maeda Y, Ohkiku M, et al
    • 雑誌名

      Journal of Neuro-oncology

      巻: 104 ページ: 497-507

    • DOI

      10.1007/s11060-010-0522-0

    • 査読あり
  • [学会発表] Brain tumor selective gene expression and therapy mediated by recombinant retroviruses containing the SSX4 promoter2011

    • 著者名/発表者名
      Shimizu K
    • 学会等名
      ESGCT and BSGT Collaborative Congress 2011
    • 発表場所
      Brighton Centre (Brighton, U.K.)
    • 年月日
      2011-10-28
  • [学会発表] 悪性グリオーマ未分化細胞における薬剤耐性遺伝子MDR1の発現2011

    • 著者名/発表者名
      竹村光広
    • 学会等名
      (社)日本脳神経外科学会第70回学術総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2011-10-13
  • [学会発表] 悪性神経膠腫のMGMT発現評価に対する新たな試み2011

    • 著者名/発表者名
      川西裕
    • 学会等名
      (社)日本脳神経外科学会第70回学術総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2011-10-13
  • [学会発表] 未分化なグリオーマ細胞における薬剤耐性遺伝子の発現2011

    • 著者名/発表者名
      八幡俊男
    • 学会等名
      第70回日本癌学会学術集会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県)
    • 年月日
      2011-10-05
  • [学会発表] てんかん発作による海馬歯状回神経新生異常に対する亜鉛投与の効果2011

    • 著者名/発表者名
      東洋一郎
    • 学会等名
      第34回日本神経科学大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2011-09-15
  • [学会発表] 悪性グリオーマ内在性の未分化細胞における薬剤耐性遺伝子の発現2011

    • 著者名/発表者名
      八幡俊男
    • 学会等名
      第21回日本サイトメトリー学会学術集会
    • 発表場所
      京都市国際交流会館(京都府)
    • 年月日
      2011-06-25
  • [学会発表] PCR in situ hybridizationを用いたMGMT発現評価の試み2011

    • 著者名/発表者名
      川西裕
    • 学会等名
      第29回日本脳腫瘍病理学会学術集会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京都)
    • 年月日
      2011-05-20
  • [学会発表] Transcriptional targeting of retrovirus vector through the SSX4 tumor-specific promoter2011

    • 著者名/発表者名
      Yawata T
    • 学会等名
      American Society of Gene & Cell Therapy 14th Annual Meeting
    • 発表場所
      Washington State Convention & Trade Center (Seattle, WA, U.S.A.)
    • 年月日
      2011-05-19
  • [学会発表] Up-regulation and invasive role of MUC18/MCAM in glioma sphere culture2011

    • 著者名/発表者名
      Shimizu K
    • 学会等名
      AACR 102nd Annual Meeting
    • 発表場所
      Orange County Convention Center (Orlando, FL, U.S.A.)
    • 年月日
      2011-04-05

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公開日: 2013-06-26  

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