研究課題/領域番号 |
22591614
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
八幡 俊男 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (40380323)
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研究分担者 |
清水 惠司 高知大学, 教育研究部医療学系, 教授 (70116044)
東 洋一郎 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (80380062)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 脳腫瘍 / エピジェネティクス / ゲノムリプログラミング |
研究概要 |
本課題では、悪性脳腫瘍である膠芽腫細胞においてiPS細胞を誘導する技術を用いてリプログラミングし、この腫瘍由来のiPS細胞を樹立し、神経幹や神経前駆、神経、星状及び乏突起細胞に再分化することで神経系細胞系譜のいずれにおいてこの腫瘍に生ずる変異がどのような生物的機能を果たすかを検討することを目的とした。昨年度までに、SOX2、OCT4、KLF4の3遺伝子をコンディショナルに発現誘導可能な膠芽腫細胞株を樹立し、これらの遺伝子の発現誘導と胚性幹細胞用培養条件での培養することで胚性幹細胞のマーカーの一つであるアルカリフォスファターゼ陽性の細胞を得た。今年度は、この細胞の胚様体や奇形腫の形成、三胚葉分化を確認し、iPS細胞の完成度を検討する予定であった。しかしながらこのアルカリフォスファターゼ陽性の脳腫瘍由来iPS細胞候補のクローンは、継続的な増殖を示さず解析は、不可能であった。出発材料が神経幹細胞の場合において、SOX2とOCT4の2因子で十分にiPS 細胞を誘導可能であることが知られているので、新たなiPS細胞候補を得るためにがん幹細胞からiPS細胞の誘導を試みた。SOX2、OCT4、KLF4をコンディショナルに発現誘導可能な膠芽腫細胞株のCD133陽性の幹細胞を20-80%程度含むTumor sphereを培養し、現在、iPS細胞を誘導している。これらの結果にみられるようにゲノムに異常を持つ脳腫瘍細胞からiPS細胞を誘導することは正常細胞からの場合と異なり、困難であることが考えられた。最近、消化器系がん細胞からiPS細胞株の樹立が報告されたが頻度の低さが指摘されており、脳腫瘍細胞からiPS細胞を樹立するためにゲノムリプログラミングに関わる新たな因子の同定が必要かもしれない。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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