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2011 年度 実績報告書

悪性神経膠腫におけるMGMTの関与しないテモゾロミド耐性機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22591617
研究機関鹿児島大学

研究代表者

八代 一孝  鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 客員研究員 (20264418)

研究分担者 有田 和徳  鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90212646)
平野 宏文  鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00264416)
古川 龍彦  鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40219100)
キーワードglioblastoma / temozolomide / 耐性 / MLH1 / DEC2
研究概要

Glioblastoma(GBM)は、脳腫瘍の中で、最も悪性度が高く、治療困難な悪性腫瘍の一つである。近年、GBMに対し、新しい治療薬であるtemozolomide(TMZ)が認可され、一定の治療効果を挙げている。しかし、TMZに対し治療抵抗性を示す例も多く見られ、TMZに対する耐性機構の解明が重要となっている。
我々は、TMZを含む選択培地でU251細胞を培養し、限界希釈法でU251/TMZR1,2,3の3つのTMZ耐性株を単離した。メチル化特異的PCRの結果、U251細胞、耐性細胞ともに、MGMTプロモーター領域もメチル化されており、また、MGMTの発現は見られなかった。このことより、今回作成した耐性株では、MGMTはTMZ耐性に関与しておらず、MGMT以外の因子のTMZ耐性への関与が考えられた。
Mismat chrepair(MMR)の構成因子が欠如した細胞株がTMZに対し抵抗性を示す、という報告が見られる。MMR構成因子の発現を検討したところ、3つの耐性株に共通して、MLH1の発現が低下していることが分かった。また、TMz処理を行っても、時間依存的にも、濃度依存的にも、MLH1の発現が誘導されないことが分かった。siRNAを用いて、U251株のMLH1をノックダウンすると、U251株のTMZに対する感受性が低下するため、MLH1発現低下が、TMZ耐性獲得に関与している可能性があると考えられた。
また、臨床サンプルを用いて、GBM初発例とTMZ投与後の再発例の間で、MLH1の発現変化を免疫染色にて用いて検討を行なった。結果として、優位差をもって、再発群でMLH1の発現が低下していることがわかり、MLH1発現低下がTMZ耐性獲得に関与していることが臨床的にも示された。また、MLH1の転写抑制因子であるDEC2の発現がTMZ再発群で上昇していることも免疫染色で示された。さらに、TMZ耐性株においても共通してDEC2の発現が上昇していることが確認された。
今後、DEC2がTMZ耐性株において、MLH1発現抑制に実際に関与するか、生化学的手法を用いて検討を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

MLH1の発現低下がTMZ耐性獲得に関与することが、in vivo、in vitroともに示すことが出来ている。また、転写抑制因子(DEC2)の発現上昇がMLH1発現抑制に関連する可能性も示されており、今年度は、生化学的手法を用いて、MLH1とDEC2の関連性について更に検討を進める予定である。

今後の研究の推進方策

生化学的手法を用いて、MLH1とDEC2の関連性について更に検討を進める予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] MLH1発現抑制とヒトglioma U251細胞のTMZ耐性獲得との関連2011

    • 著者名/発表者名
      新里能成
    • 学会等名
      日本脳腫瘍学会
    • 発表場所
      下呂温泉(静岡)
    • 年月日
      2011-11-28

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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