研究課題/領域番号 |
22591623
|
研究機関 | 明治国際医療大学 |
研究代表者 |
田中 忠蔵 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 名誉教授 (80163541)
|
研究分担者 |
樋口 敏宏 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 教授 (80218700)
梅田 雅宏 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 教授 (60223608)
渡邉 康晴 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 講師 (90454537)
河合 裕子 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 助教 (90555616)
|
キーワード | 慢性疼痛 / 神経因性疼痛 / 関節原性疼痛 / 関節運動学的アプローチ / fMRI / AIM-MRI / マンガン造影 |
研究概要 |
昨年度に実験MRI装置の故障が長引いたため、昨年度行えなかった1)慢性疼痛モデルの腰髄神経根のエントリーゾーンから脊髄灰白質にかけてのマイクロイメージングによるMn造影を行なった。しかし、マイクロイメージングの画質が安定せず、充分な結果が得られなかった。理由はコイルの感度不足と考えられ、現在改善を行っている。また、2)神経薬理学的AIM-MRIの検討を行い、疼痛に係わる神経伝達物質の局在画像を安定的に得られなかったので、この方法を改良し検討を行っている。23年度分の3)脳梗塞や脊髄疾患における疼痛の解析と治療の反応性を脳・脊髄の疼痛画像から行い、対象数を増やしている。一方、引き続き4)臨床MRSにて慢性疼痛における海馬の脳内アミノ酸の半定量測定をLC Modelを用いて検討したが、現在まで有意な変化をとらえていない。昨年、末梢性疼痛の基礎的検討として、関節内法運動による脳賦活の試みを行い、日本AKA学会に報告し、さらには臨床例の検討を行った。本年度は、この方法の精度を上げるために、AKA : arthrokinematic approach-博田法の創始者である博田氏の研究協力を得て、3-T臨床用MRIを用いた、fMRIによる関節運動の脳賦活の検討を行った。その結果、関節の他動運動では脳卒中患者の患側の運動で、健側に比べて前運動野-捕捉運動野の賦活範囲が大きくなるという結果を得た。従来、リハビリに伴った自動運動でこの所見が報告されているが、初めて他動運動により同じ現象がとらえられた。また、関節包内運動では、通常の関節運動と異なり捕捉運動野の賦活が生じにくいという結果が得られており(未発表データ)、今後症例を重ねて報告したい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成22年度に長期にわたって研究装置が故障したことが理由である。現在、その遅れを取り戻すように研究を進めている。また、この間に、臨床用装置を用いたfMRIによる検討は想定以上に進展した。
|
今後の研究の推進方策 |
研究課題の遂行には、技術的な改良が一部必要であるが、予定では改良可能と考えられる。また、ヒトを対象とした研究では、基礎的な検討が順調に進んでおり、臨床研究も予想以上の成果を得ている。従って、全体としては現在の研究の方向性で問題がないと考える。
|