研究課題
本年度は関節内法運動による脳賦活測定を本格的に実施した。刺激特性に応じた脳機能解析方法の最適化を行い、脳賦活領域および賦活コネクティビティに関する検討を加えた。実験精度を向上させるため、AKA: arthrokinematic approach-博田法の創始者である博田氏の研究協力を得て研究を遂行した。また、3-T 臨床用MRIが新規導入されたことにより、パラメータの調整が必要となったものの、より詳細な検討が可能となった。健常被験者に対してAKAを実施したところ、橈月関節のAKA刺激において、同側の小脳、対側視床のほか、運動野、上側頭回、および両側の島皮質(SII)や縁上回に賦活がみられた。また、仙腸関節のAKA刺激では両側の島皮質、対側の前運動野の一部、同側の感覚連合野(ブロードマン7野)に賦活領域が認められた。従来、単なる刺激で同側の頭頂連合野での賦活が見られた報告例は少ないことから、この結果はAKA刺激に特異的な反応である可能性が高い。これまで、fMRIで捉えられる脳賦活は刺激強度に依存すると考えられていたものの、本研究結果では、関節内運動のような深部感覚においても比較的多くの脳賦活が観察されることが明らかとなった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Human Brain Mapping
巻: 33(1) ページ: 121-129
10.1002/hbm.21200