研究概要 |
本研究の目的の達成のために、初年度は、頭蓋内脳表電極を用いて,基底核を刺激した際の大脳皮質の反応をとらえた。 計画書にのっとり、全身麻酔下での脳深部刺激例に対し、脳表電極から、深部刺激中の反応を測定した。 【方法と対象】進行性パーキンソン病に対し,,全身麻酔下で脳深部刺激術を施行した。右脳深部刺激電極(Medtronic社model.3387)の留置後,6極ストリップ脳表電極(Unique Medical Co., Ltd.)を穿頭穴から挿入し,前頭葉皮質上に留置した。不関電極をnasionに留置した。 脳深部電極の刺激電極の刺激番号0,1,2,3をそれぞれ陰極1つ,陽極1つと選択して,外部刺激器(NeuroPack Nihon kohden., co.ltd.)によって脳深部刺激電極を刺激した。刺激条件は,刺激強度は0.5mA、刺激頻度を10Hz-160Hzの間で行い、刺激頻度による違いを検討するとともに、刺激部位を視床下核例では、視床下核中心と背側に分けておこなった。脳波計はNeurofax EEG-1200.Nihon Kohden., co.ltd.)でサンプリングレート1000Hzとした。 パーキンソン病例8例施行し、全例で前頭葉皮質に留置した脳表電極から脳波を測定することが可能であった。 刺激電極を留置した部位の内訳は視床下核例を5例、淡蒼球内節が3例 【結果】視床下核例では、運動野に留置された電極から、130Hz-160Hz刺激により20Hzでの波形の増大をえた。刺激部位の違いも患側され、視床下核の背側の方がより20hzのパワーが高かった。 刺激開始から、500msecでの反応がもっとも認められ、この反応は、同側運動野、対側運動野にも観察することができた。 淡蒼球例では、一定の特徴を得ることができなかった。 視床下核の刺激が、一次運動野への神経ネットワークがあることがわかった。
|