平成24年度は、平成22年度、平成23年度に引き続き頭蓋内脳表電極を用いて,基底核を刺激した際の大脳皮質の反応をとらえた。計画書にのっとり、全身麻酔下での脳深部刺激例に対し、脳表電極から、深部刺激中の反応を測定した。【方法と対象】進行性パーキンソン病に対し,全身麻酔下で脳深部刺激術を施行した。【結果】視床下核例では、運動野に留置された電極から、130Hz-160Hz刺激により20Hzでの波形の増大をえた。刺激部位の違いも患側され、視床下核の背側の方がより20hzのパワーが高かった。刺激開始から、500msecでの反応がもっとも認められ、この反応は、同側運動野、対側運動野にも観察することができた。淡蒼球例では、一定の特徴を得ることができなかった。視床下核の刺激が、一次運動野への神経ネットワークがあることが前年度のデータと比較しても、揺るがない結果であった。計画書では、オンラインでの慢性脳波記録を麻酔下なしで行う予定であったが、症例がなく、計測、結果がえられなかった。しかし、これまでのデータを、オフラインで、脳波の再解析を行った、時間周波数変化だけではなく、皮質脳波から、DCshiftを示唆する結果を得た(未発表)。
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