研究課題/領域番号 |
22591625
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研究機関 | 公益財団法人田附興風会 |
研究代表者 |
戸田 弘紀 公益財団法人田附興風会, 医学研究所・第5研究部, 研究員 (80414118)
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キーワード | 拡散強調画像 / 視床下核 / 視床 / パーキンソン病 / 脳深部刺激療法 |
研究概要 |
1 大脳皮質-大脳基底核回路の可視化:脳深部刺激療法(DBS)をうけた患者16名で3TeslaMRによる拡散テンソル画像計算、確率論的トラクトグラフィー法を用いて視床下核と淡蒼球内節近傍での白質線維像を作成した。DBS術前に32軸拡散強調画像を撮像し、確率論的トラクトグラフィーによるmulti-fiber modelを作成する拡散強調画像解析を行った。視床・視床下核・淡蒼球内節との連絡線維の描出については視床、被殻、尾状核、淡蒼球外節、運動前野、運動野、背外側前頭前野、前帯状回にそれぞれrange of interest(ROI)をおき一方のROIを視床下核あるいは淡蒼球内節として連絡線維を上記データから計算した。 2 拡散テンソルトラクトグラフィー結果の妥当性検討:視床・視床下核DBS手術と刺激部位決定は定位脳手術フレームとマルチトラックレコーディングにより行った。細胞外活動電位記録による領域内の神経細胞の体性機能局在性の推定と試験刺激による臨床効果および副作用発現の危険性を判断し、術後に治療用電極からの刺激による臨床効果、副作用症状を記録した。この結果を白質線維束像に照らして検証した。白質線維束像に留置電極位置、試験刺激部位、また細胞外活動電位記録経路を上書きして、電極位置をROIとしてこの部位を通過する白質線維束を描出した。 3 白質線維束の機能解析:留置電極刺激による臨床効果と副作用、また試験刺激による神経学的変化、術中の細胞外活動電位記録からソマトトピーに関する情報、以上をもとに白質線維と3次元的電気生理学的データ・機能データを照合し、投射部位も参考にした上で白質線維束像の妥当性を確認した。以上のデータを以下の学会での招待講演およびシンポジウムで発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究はこれまでに同様の研究が少なく関連研究分野の手法を参考に方法の構築、磁気共鳴画像の構造的データ収集と白質画像の演算、得られた結果の集積と統計学的解析の3段階にわけられるが、現在第二段階まですすんでおり、今後研究の最終段階に進むところまで来ているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、白質線維束の機能解析をすすめる。留置電極刺激による臨床効果と副作用、また試験刺激による神経学的変化、術中の細胞外活動電位記録からソマトトピーに関する情報、以上をもとに白質線維と3次元的電気生理学的データ・機能データを照合し、投射部位も参考にした上で白質線維束像の妥当性を確認しており、検討数を増やして、大脳基底核を中心に脳深部の機能および解剖構造のマップデータを作成し手術術前検討にも用いてデータの妥当性を確認する。
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