研究課題/領域番号 |
22591626
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山崎 正志 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50281712)
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研究分担者 |
村田 淳 千葉大学, 医学部附属病院, 准教授 (20344997)
大河 昭彦 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30312945)
古矢 丈雄 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (00507337)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 脊髄損傷 / G-CSF / 細胞移植 |
研究概要 |
顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF) は骨髄中の造血幹細胞を末梢血中に動員する作用を持つ。今年度の研究では、G-CSFの経静脈投与によって末梢血中に動員された造血系幹細胞を回収・濃縮して損傷脊髄内に移植するG-CSF動員末梢血幹細胞移植に関して、本法の脊髄損傷に対する治療効果を検討した。8-10週齡のNOD Scidマウスに対し第9胸髄レベルにIH impactorによる脊髄圧挫損傷モデルを作成した。1週間後に、M群にはヒト由来G-CSF動員末梢血単核球細胞(CD34細胞純化なし)、CD34群にはヒト由来G-CSF動員CD34+末梢血幹細胞をそれぞれ100000個(3 micro l)、損傷部に直接注入する方法で移植した。コントロールとしてC群には溶媒のみを注入した。Basso Mouse Scaleでの行動評価 においては、細胞移植を行ったM群、CD34群ともに、Control群に比し移植後6週以降で有意な運動麻痺の回復が得られた(p<0.01)。移植後8週でのScanet40による運動量の解析では、Control群に比しCD34群で有意に運動量が多かった(p<0.01)。免疫組織学的検討では、移植後1週で移植細胞は損傷部より約2mm頭尾側まで広範に残存しており、これらはVWFで二重染色される血管系の細胞へと分化していた。移植後4週でも移植細胞は、損傷脊髄内に残存していた。これらの結果から、損傷脊髄において移植後早期に移植細胞による血管新生促進効果が発揮され、これが脊髄損傷マウスにおける行動学的な改善をもたらしたと考えられる。他の虚血性疾患(下肢虚血性疾患、急性心筋梗塞、脳梗塞)においてはG-CSF動員末梢血幹細胞移植の治療効果が基礎実験において証明され、既に臨床応用が始まっている。脊髄損傷に対してもG-CSF動員末梢血幹細胞移植治療の臨床応用が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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