本研究の目的は超伝導量子干渉素子(SQUID)磁束計を用いた脊髄機能診断法を臨床応用し、非侵襲的な脊髄疾患の診断法を確立することである。これまで用いられてきた脊髄機能診断方法としては、脊髄誘発電位測定があるが、頚椎硬膜外腔へ電極を設置する必要性があり、熟練を要し、侵襲性も高い。これに対し、脊髄誘発磁界測定は体表面からの測定が可能であるため、頚椎硬膜外電極の設置が不要であり、患者への負担も少ない。これまでの研究において頚椎症患者での誘発磁界測定が高精度で行えるようになってきていが、我々が主に行ってきた測定方法では胸椎部より硬膜外電極を挿入し下位胸髄を刺激することによって誘発される頸椎誘発磁界を測定している。この方法も非侵襲的と言わざるを得ない。そこで本研究は完全に非侵襲的な脊髄機能診断法の確立を目的として、四肢末梢神経を体表より電気刺激して頚髄誘発磁界測定を行い、頚髄機能診断を行うことである。
|